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COLUMN&INTERVIEW

「省エネ=我慢??」省エネは生活の質を向上させる

省エネってどんなイメージ?

〈省エネ=我慢すること??〉

「省エネ」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか?電気の使用を控えることでしょうか?暑いときや寒いときにでもエアコンの使用を控えることでしょうか?テレビやスマートフォンといった電化製品の使用頻度を減らすことでしょうか?

猛暑が続く中、エアコンの使用を控えると熱中症になる恐れがありますし、少しの時間ならエアコンはつけっぱなしにしておくほうが電気代を抑えることができます。また、メディアからの情報収集にはテレビやラジオ、インターネットは欠かせません。

このような事例から、省エネを実現するためには今の生活に負荷をかける必要がある=我慢するというイメージを持っている人もいるかもしれません。

自身の生活を変えることは難しいし、したくない、快適な生活を壊したくない、と思われる人も多数いるのではないでしょうか。

〈世界と日本の意識の違い〉

2015年に行われた世界市民会議にて、世界の参加者の66%が気候変動対策をすることは「生活の質を高めるもの」と考えているのに対し、日本の参加者の60%が「生活の質を脅かすもの」と考えているという結果が出ました。

日本と世界で意識の違いが大きく現れています。

また、「誰が第一義的に気候変動に立ち向かう責任を持つべきか」という問いに対し、世界では参加者の47.7%が「市民やNPO/NGO」と考えている一方、日本では25%に留まりました。さらに、同じ質問にて責任を持つべきなのは「各国政府」と考えている割合は世界では31.9%、日本では58%でした。

確かに、「各国政府」が責任を負うことは省エネ活動を活発にする効果はあると思います。しかしまず押さえておきたいのは、全体的にこの結果から、日本は省エネに対して自分事としてとらえている人が至極少ないように考えられるということです。

エネルギー、省エネルギーについて考え直してみよう

〈省エネルギーの定義・基礎知識〉

「省エネルギー(省エネ)」という言葉が世間で広まって久しくなりますが、その定義を簡単に確認しましょう。省エネルギーとは、エネルギー資源を効率よく使うことを指す言葉です。一次エネルギーと二次エネルギーというものがあり、電気やガスとして私たちが使用しているものは二次エネルギーに当たります。地球温暖化やそれによる気候変動では二次エネルギーの使用後に生じる排出ガスが大きな要因として考えられています。

〈過剰なエネルギー消費に伴う気候変動〉

地球温暖化が進むと気候変動が起こり、作物が育たなくなったり自然災害が増加したりします。このように様々なリスクつながると示唆されています。近年日本でも毎年のように災害レベルの大雨が起こっていますが、この豪雨は地球温暖化が進んでいなければ起こっていなかったといわれています。

〈エネルギーの今〉

エネルギー供給には限界があります。さらに、近日は世界情勢の深刻化によりエネルギー供給が予想以上に逼迫しています。

2022年6月8日には米国テキサス州の液化天然ガス(LNG)製造施設のフリーポートLNGで火災事故が発生しました。当初は少なくとも3週間は操業を停止するとの見込みでしたが、その後規制当局の許可が得られるまでの期間次第という見込みや、当局がFLNGに対し再稼働に向けた安全命令を策定することを事故後求めていたことなどが明らかになり、プラントの完全再稼働は2022年後半であり、稼働停止期間が長期化するとみられています。

各国がロシア産エネルギーへの依存度低減を進め、非ロシア産エネルギーの調達競争が激化する中、FLNGは強力な供給源でした。従って、この事件を受け世界的にエネルギー事象が大きくひっ迫することになります。

まず欧州ではウクライナ侵攻を受けてエネルギー安全保障の観点から、2030年までにロシア産化石燃料からの脱却を目指す「リパワーEU」を打ち出し、さらに米国はEUに対しLNGの供給大幅増に合意していました。供給不足から欧州の指標となるオランダのガス先物価格は6月9日、一時約13%高騰しました。

次に日本では、LNGの供給停止が長引けば夏の電力需要ピークシーズンに向けて電力会社がLNGを備蓄している日本への影響が懸念されています。実際、確実に電気代やガス代は高騰しており、要因はここにもあると考えられます。

どうやったら省エネ出来るのか

〈エアコンを効率よく使用する〉

例えば、エアコンの使用頻度を抑えるのではなく、エアコンとサーキュレーターを併用して、空気の循環を良くするという方法があります。

冷房をかけるとしましょう。冷たい空気は部屋の下にたまるのでエアコンとは反対側の冷風が落ちる場所にサーキュレーターを設置し、風を送る向きはエアコンに向けて送り込むようにして循環させると効果的です。サーキュレーターが空気を循環させて部屋の温度差を埋めてくれればエアコンも涼しくなったと判断し、余計な冷風が出ることが少なくなります。

これにより、冷え過ぎを防げますし、電気代の節約にもなるでしょう。最近ではサーキュレーターのみの電気代が 0.675円/1時間 と、1円以下のものが多く販売されています。エアコンを過剰使用して電気代も上がることよりもサーキュレーターを併用して効率よく省エネにも貢献できるお部屋作りに挑戦してみましょう。

〈照明はLEDに〉

照明をLEDなど電気変換効率が良いものを使うと効果的です。

LEDのメリットは消費電力が少ないこと、長寿命であることです。LEDの消費電力は白熱電球の約20%、栄光灯の約30%、水銀灯の約25%と言われています。

また、白熱電球の寿命が約1,000~2,000時間、蛍光灯のそれが約6,000~12,000時間、水銀灯が12,000時間であるのに対し、LEDのそれは約40,000~60,000時間となります。1日10時間点灯しても、10年以上寿命が持ちます。日本を含め各国で省エネ性能の高いLEDや有機ELなどの次世代照明導入を進める政策が取られているほど効果的な方法とみられているといえるでしょう。

〈ZEHの効果〉

これから新築を立てようと思う方には、ZEHなど省エネ住宅に住むことを選択する方法があります。ZEHは住宅で使う一次エネルギーの年間消費量がおおむねゼロの住宅のことです。断熱性と省エネ性能を赤めて消費量を減らしつつ、省エネ性能を高めて再生可能エネルギーを生み出し、それらを合わせることで消費量が実質ゼロ以下になっている住宅を指します。

光熱費が削減できたり、災害時用に非常電力を備えられたりします。また、断熱性に優れているため家中の温度差が小さくなり、ヒートショックを起こしにくくなります。さらに結露やカビの発生を抑えることが出来るのでハウスダストに悩まされることもなく、快適かつ健康に暮らすことが出来ます。

〈宅配サービスの受取時の工夫〉

宅配サービスを利用することがあると思います。

臨時で指定時刻に外出していたため再配達を依頼することになった、となれば受け取る側も手間がかかりますし、業者側は再配達用の車のエネルギーや残業代が発生する可能性が出てきます。また、その分事務所の光熱費が上がる可能性もあるのです。仕事を効率よくすすめないと業者側はコストとエネルギーを浪費する結果となりますが、サービス利用者がポストインサービスを利用したり指定時間に在宅したりすることで負の連鎖を避けることが可能になります。

どうしても受け取ることが毎回難しい人、例えば共働きや一人暮らし過程はコンビニの受け取りや共有ポストや職場を利用するなどの方法も効果的だと考えます。生活の一部の時間と場所の利用方法を少し工夫することで互いに負担を軽減できると思いませんか?

まとめ ~システム変容と身の回りで変化を生み出そう~

今回は、我慢しない省エネをテーマにしました。省エネ、エコ、という概念は普及しているものの具体的な情報が浸透していないのが課題だと思います。省エネに積極的な人や事業の例を探すことも重要ですが、上記のような内容は耳にタコができるくらい聞いたことがあるかもしれません。

しかし具体的に何をどのくらいすればよいのか、どれくらい効果があるのかなどの基準がわからないことの方が多いです。基準が必要で、定めた基準をメディアやあらゆる宣伝方法で国民に普及することも重要なのではないでしょうか。

また、気候変動の本質においては、個人の行動変容だけではなく使用するエネルギーの種類、交通、都市、食糧などのシステムの脱炭素化に関して大きな変容が必要となるのではないかとも考えます。

では、最初の話の通り、「我慢しない省エネ」を実現するには何をすればよいのでしょうか?肝心なことは「市や地域」、「地元の学校」、「職場」など「自分の存在が認知されている場で」できることから実行することです。

皆さんの身の回りで皆さんが変化を起こすということを、是非実行してみて下さい。

先に述べましたように日本人は環境問題を「自分事」としてとらえている人が少ないというデータがあります。一方で社会変革特に環境問題に関して効果的なアプローチ箇所は自分の身の回りです。なぜなら、もし自分がかかわっている組織や団体を変えたとしたら、自分の生活だけでなく、そこで活動している人たちにも波及効果が期待できるからです。

探してみると生活の質を向上させつつ省エネにも貢献するという方法は意外とたくさんあります。私も家ではエアコンの事例を実践していますが、サーキュレーターを併用することにより格段に部屋が効率よく温度調節できていると感じます。さらに空気が循環するので部屋干しをせざる負えない場合でもサーキュレーター併用時は乾き具合がよいと感じます。

また、学校ではごみの分別を呼びかけられています。目に留まるところに分別を呼び掛けるポスターなどがあると最初の頃は意識しながらしていたものの、今では習慣化するようになりました。全く負担に感じません。

これは私だけでなく友人や先輩、後輩でも同じことが言えます。このことからも実際に多くの人の行動に影響を及ぼしていることが実証されていると言えます。是非、一緒にできることから始めていきましょう!

[参考文献]
エネルギーに関する世論調査 (gov-online.go.jp)
気候変動に関する世論調査 2 調査結果の概要 1 – 内閣府 (gov-online.go.jp)
脱炭素宣言後、国民の意識はどう変わった?内閣府 世論調査! | 株式会社エコ・プラン (ecology-plan.co.jp)
火災事故の米フリーポートLNG、操業完全再開へ是正措置などで規制当局と合意(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
米フリーポートLNGで火災、天然ガス供給に懸念広がる(日本、米国、EU) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
省エネって何? | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト (meti.go.jp)
省エネ住宅を学ぼう 省エネ住宅を学ぼう | COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。 (env.go.jp)
各種支援制度 | 事業者向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト (meti.go.jp)
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/reports/20150703_01/
エアコンにサーキュレーターって必要?扇風機との違いや置き方を解説 | 家電小ネタ帳 | 株式会社ノジマ サポートサイト (nojima.co.jp)
LEDに省エネ節電効果ってどのくらいあるの? | 省エネ・コスト削減のエスコ(ESCO) | エスコ(ESCO)の豊富な実績とノウハウで、省エネ・節電・コスト削減対策をサポートいたします (esco-co.jp)
省エネ家電とは?買い替えで家計にも環境にもやさしい生活を|EGR (egmkt.co.jp)
ZEH(ゼッチ)とは?ZEH住宅のメリット・デメリットや補助金制度も詳しく解説|りそなグループ (resonabank.co.jp)
https://note.com/drawdownjapan100/n/na8b3935a7e33

この記事を書いた人

愛媛県学生地球温暖化防止活動推進員

愛媛県地球温暖化防止活動推進センターより委嘱を受けて活動しています。