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COLUMN&INTERVIEW

SDGs連載【第2回】内子町の取り組みと、地域×SDGsの関係

持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標「SDGs(エスディージーズ)」。

今回は、このSDGsについてお伝えする連載の【第2回】。愛媛県喜多郡内子町在住で、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのアドボカシーマネージャーを務める堀江由美子さんに、詳しくお話をお聞きしてきました!内子町におけるSDGsの取り組み、地域がSDGsに取り組む効果、そして私たち個人ができることまで詳しくご紹介します。

この記事で分かること

  • セーブ・ザ・チルドレン 堀江さんの仕事
  • 内子町におけるSDGsの取り組み
  • 地域がSDGsに取り組む効果
  • 私たち個人ができること

堀江由美子さんのプロフィール

堀江由美子さん
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシーマネージャー

1967年兵庫県生まれ。共同通信社に勤務後、英国大学院で開発援助などについて学ぶ。その後、国際ボランティアセンター山形の事業でカンボジアに駐在。2002年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに入局。2010年より子どもの権利実現の視点から開発援助政策、SDGsなどの政策提言を担当。2015年 愛媛県喜多郡内子町に移住。同町のSDGs推進に携わる。

セーブ・ザ・チルドレンでは、どのようなお仕事をされていますか?

私は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンというNGO(民間の国際支援団体)で「政策提言」を担当しています。これは、政府などの政策決定者に対し、特定の課題に関する取り組みへの変化を促し、そこに政策や予算をつけるよう働きかける活動です。その中でも、私は子どもの保健、栄養や教育などの国際援助政策や、SDGsの政策などに対して提言しています。

SDGsでは、不平等や差別や子どもに対する暴力をなくし「誰一人取り残さない」社会に向けた提言を行ってきました。日本では、約7人に1人の子どもが相対的貧困下にあるとされています(参考1)。特に、母子家庭におけるリスクは高く、その約半分の世帯で相対的貧困となっています(参考2)。日本では女性の社会的地位が確立されておらず、世界の男女平等の度合いを測るランキング「ジェンダー・ギャップ指数2020(参考3)」では、世界153カ国のうち、121位となっています。この格差も、母子家庭世帯の貧困を生み出す要因の一つです。そして、これらの問題は愛媛県も例外ではありません。

【参考1】2019年国民生活基礎調査の概況:各種世帯の所得等の状況(P14)/厚生労働省
【参考2】第5回(2018)子育て世帯全国調査/労働政策研究・研修機構
【参考3】「共同参画」2020年3・4月号(ジェンダー・ギャップ指数2020)/内閣府男女共同参画局

内子町では「SDGs」にどのように取り組んでいますか?

私は2015年4月に内子町に移住しましたが、その年の9月、国連で「SDGs」が採択されました。内子町では、以前より「持続可能な地域づくり」が進められており、その考え方が「SDGs」と親和性が高いことに気づきました。町長にお話しすると、内子町として「SDGs」への取り組みを進めることに賛同いただけました。

そして、国連採択から2ヶ月後の11月、「ローカルSDGs?in内子町」と題したフォーラムを開催し、町長をはじめ、役場や町民の方々、そして環境省の方もお招きして「地域でのSDGsの取り組みの意義」について議論しました。さらに、翌年には町役場職員を対象とした勉強会「SDGsを内子町で考える」を開催。これらの取り組みは、環境省の環境白書や、政府が作成した国連への報告書にも掲載され、多くのメディアに取り上げられました。

現在も、内子町でのSDGsの取り組みに、一町民の立場で参加しています。役場の方々とも意見を交わしながら、例えば、役場の職員研修や、四国におけるローカルSDGsを考えるワークショップ、高校での授業など、SDGsを地域の視点から理解していただくための活動を続けています。

(写真)ワークショップ「四国版ローカルSDGsをつくろう」(2017年9月)

【参考】平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(P28)/環境省

地域がSDGsに取り組むと、どのような効果がありますか?

地域がSDGsに取り組むことによって、その現状をSDGsという「世界共通のものさし」と照らし合わせて、地域のみなさんで検討することができるようになります。そうすると「課題」が見出しやすくなり、今何が不足しているのか、障壁になっていることは何なのかを導き出すきっかけとなります。

もう一つは、対外的な発信力が向上するという点です。「SDGs」は、例えば行政と住民や企業、地域と地域、さらには地域と海外をつなげる共通のキーワードになります。取り組みなどを積極的に発信することにより、ネットワークが広がり、得られる情報や機会が増えるのです。

私は、SDGsの取り組みを通して、地域や社会をより良くするきっかけが多く生まれると考えています。

(写真)フォーラム「ローカルSDGs?in 内子町」(2015年11月)

私たち個人では、何ができますか?

まずは、この記事のような「SDGs」に関する情報に触れ、そこから関心を持ったことについて調べ、それを周囲に伝える事が、一人ひとりにできる事だと思います。ご自身が興味のある事について、セミナーに参加する、本を読むなど、理解を深める事も大切です。そうすると、その課題に対して自身に何ができるのかが、少しずつ見えてくるでしょう。

具体的には、環境汚染を食い止める事に繋がるような身近な活動に参加する。あるいは、セーブ・ザ・チルドレンのような子どもの支援を行う組織に寄付をするなど「できること」はたくさんあります。

また、ご自身の中に「強い思い」が生まれた時には、意見を投じることも重要です。例えば、応援したいと思う活動に署名をするなどの方法があります。「変えなければ」と思うことができたら、それを変えるには、自分は何ができるかという事を考えることから始めましょう。

お話をお聞きしたとき、まずは子どもの貧困問題やジェンダーギャップについての、日本の現状に驚きました。先進国であるにも関わらず、こんなに男女の格差が開いているのは何故なのか…そこに疑問を持ち、家族や友人に話したり、調べたりすることを始めました。こうやって、少しずつ皆が身近にある課題について知り、それに興味を持つことによって、本当に少しずつではありますが、世の中は変わっていくのかもしれないと感じました。

次回以降も、SDGsについての連載は続きます。お楽しみに!

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この記事を書いた人

三神 早耶(みかみ・さや)

愛媛県松山市在住。大学卒業後、広告代理店の営業や進行管理などを経て、2016年からフリーライターに。ビジネスメディアや、地元経済誌、企業のWebサイト等において、取材や記事の執筆をしています。私生活では2児の母。趣味はキャンプと仕事。