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COLUMN&INTERVIEW

気候正義って?〜国家や所得・ジェンダー・世代間格差による気候変動の影響〜

皆さんこんにちは。広島に住む大学一年生の奥野華子です。
今回は私が活動しているFridays For Futureが大切にしている「気候正義(Climate Justice)」について説明したいと思います。皆さんは気候正義という言葉を聞いたことがありますか?私はFFFの活動を始めるまで知りませんでした。

気候正義とは気候変動によって起きている様々な格差による不公平をなくすという考え方です。この考え方を知ってからますます、気候変動に対して行動しなくちゃ!と思ったので、皆さんにも紹介したいと思います。

様々な格差とはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は4つの格差について説明していきます。

①国家間の格差

少数の先進国が大量に温室効果ガスを排出することによって気候変動が深刻化しています。温室効果ガス排出量トップ10の国だけで世界の排出量の7割を占めています。

発展途上国は気候変動の原因を作っていなかったとしても同じ地球に住んでいる以上、被害を受けてしまいます。
これが国家間の格差です。
【参考】世界の二酸化炭素排出量(2017)

②所得間の格差

気候変動の被害は仕事を失うことにつながったり、家計の負担が増加したりと経済格差が増大します。貧困層は農業や観光業に従事している場合が多く、気候変動によって収入が減る可能性があります。また、災害の被害を受けても復興のために使える資金が少なくさらに影響を受けます。

実際に私が何度も訪れているフィリピンの人たちも台風の被害を大きく受けています。台風によって家が崩れ、仕事を失い、生活を立て直すことが難しい人が沢山います。災害がない時でさえ、生活が苦しい人々が災害の被害を受けたら、さらに苦しい生活を余儀なくされるのは言うまでもありません。
【参考】フィリピンの台風被害
【参考】気候変動の脅威にさらされている国は?

③世代間の格差

気候変動がここまで深刻化したのは温室効果ガスを大量に排出する経済や社会システムを構築してきた上の世代です。ですが、実際に気候変動の影響をより強く受けるのは、その上の世代ではなく私たち若者や、さらに下の世代です。

しかし、若い世代には選挙権や被選挙権がありません。また、学生が企業のトップになることも難しいです。未成年が起業するには保護者の許可が必要であったり、学業との両立が難しかったりと、世代によって気候変動にどのくらい影響を受けるのかが異なります。

④ジェンダー間の格差

性別によっても気候変動の影響をどのくらい受けるのかが変わります。男性と女性では社会的に弱い立場にある女性の方が気候変動の影響を受けると言われています。世界の1/3の女性が農業に従事しており、気候変動が深刻化していく中で、農業に携わっている人は仕事がなくなる可能性があります。

すでに女性が気候変動の影響を受けている事例として、中央アフリカではチャド湖の水が減ったことで女性が水を汲みに行く距離が大幅に増えたそうです。

また、災害時にはD Vや性被害が増加します。性被害の被害者は圧倒的に女性が多いことからも、女性が災害時により悪影響を受けると考えられます。

皆さんもご存知の通り、教育にもジェンダー格差があります。十分な教育を受けていないと本来なら回避できる事態も回避できないこともあります。

ですが、環境先進国と言われる、スウェーデンでは女性が首相になっています。実際に気候変動の影響を受けやすい女性がより政治に関わることによって気候変動対策が進む可能性もあると個人的には思います。
【参考】気候変動に伴う災害リスクにおけるジェンダー不平等への取り組み

以上、4つの格差について説明しました。この他にも格差はあるので気になった方は是非調べてみてください。

 


 

4つの中に皆さんに該当する部分はありましたか?

私の場合、先進国に住み、日々温室効果ガスを出し続けているという気候変動を進行させてしまう側面と、女性ということで、男性に比べて気候変動の影響をより受けてしまうかもしれない側面の両方があります。この側面は誰もが持っているものかもしれません。

私はこれからどちらの側面にも該当したくありません。

そのため、特に私は若者として声をあげています。このままだとこれから生まれてくる子供たちに、何でまだ気候変動を止められる時に止めてくれなかったの?と言われると思います。そして、その子供たちの気持ちを理解できるのは私たち若者だと思うのです。

気候正義を実現するために、今できることを一人ひとりがやっていくことによって格差のない世界に近づくはずです。

皆さんも是非、行動に移してみてください!

この記事を書いた人

奥野 華子(おくの・かこ)

広島市内に住む大学1年生。Fridays for Future Hiroshimaのオーガナイザー。留学・ワーキングホリデー・英語学習サポートを行う会社のライター。平和教育や平和活動にも携わる。