ECCCA体験型環境講座「環境活動家 谷口たかひささんを取材しよう!」
愛媛県学生地球温暖化防止活動推進員の伊澤綾夏です。
この度、ECCCAの動画連載で講師を務めるドイツ在住の環境活動家 谷口たかひささん(32)が、2020年7月25日(土)に愛媛県地球温暖化防止活動推進センターで「地球温暖化、気候変動から地球を守ろう」と題して開催された子供向けの講演についてご紹介します。
プラスチックごみの現状と影響
谷口氏は、レジ袋やペットボトルなど、私たちが普段何気なく使い、ごみとして捨てているプラスチックについて「プラスチックごみのおよそ3割は自然界に流れ出てしまっている。その結果、海の生き物がプラスチックごみを飲み込んで死んでしまうという被害がとても多い。また、プラスチックごみを飲み込むことで体内に含んでいる魚を私たち人間が食べてしまっている可能性も非常に高く、人間が出してしまったごみは最終的には自分たちのもとに戻ってきて、やがて自分たちの身体に悪影響を与えてしまっている」と話しました。
社会問題クイズ
谷口氏は、災害による死者数はこの100年でどうなったか、世界の平均寿命は何歳か、といった内容の3択クイズを出題し「答えは “良くなっているほう”が正解。このクイズ、大人ほど正解数が少ない。なぜなら、今の日本のニュース番組などは、地球の平均気温が上昇している、南極の氷が解けているといったネガティブな内容を多く報道するため、日本人の多くは悪いニュースしか知らないからである。世の中の状況がどんどん悪くなっていると思いがちだが、実際は以前に比べると向上している面もある」と話しました。
地球で何が起きている?
「現在の地球は原子爆弾を1秒に5個海に投げ込んでいるのと同じレベルで海水温が上昇し続けている」と話した谷口氏は、今地球で起きていることについて映像を交えて紹介しました。
「まず大雨。日本でも毎年異常気象が起きています。ドイツでは家がつぶれるほどの大雨が降り、スペインでは嵐により15mの波が街を襲いました」
「そして火事。オーストラリアでは大規模な森林火災が起こり、大勢の人やコアラが亡くなりました。森林だけでなく住宅街にまで範囲が広がったため、オーストラリアの人たちは避難したビーチで年を越しました。この山火事は、ユーカリの木が自然発火したことが原因です。ユーカリの木は油分を多く含んでいるため、気温が40℃を超えると燃える恐れがあります。地球温暖化により年々気温が上昇し、2019年のオーストラリアの気温は50℃を超えていました。今後もこのような高温が続けば、毎年のように森林火災が起こってしまうかもしれません」
「最後に氷が溶ける。南極では、2020年2月に気温が20℃を超えました。その結果、南極の氷はどんどん溶けており、1週間で1/4も減少しました。そして、氷が解けることで海抜が60mも上昇し、島国の多くが海面より下に沈んでしまう可能性も出ています。北極圏では2020年6月に38℃を観測しました。氷が溶けて狩猟ができない状況となり、餓死寸前のホッキョクグマがいます」
私たちができること
地球で起きていることの原因について、谷口氏は「“みんなが知らないから”だと思っている。そして、イギリスの学者が45年間研究して発表した『“自分”と“他の命”に少しだけ優しくなる』ことが大事です。その上で、自分たちが今日からできる4つのことを紹介します」と話しました。
1.プラスチックや残飯などのゴミを減らす
2.省エネを心がける
3.公共交通機関を積極的に利用する
4.肉を食べる量を少し減らす
講演を聞いて
一番に感じたことは、日本人全体の環境問題に対する意識が非常に低いことです。
ドイツやイギリスといったヨーロッパの国では、地球温暖化に関する問題が毎日トップニュースとして取り上げられているとの話が谷口氏よりありましたが、日本ではほとんど報道されていないように感じます。また、レジ袋が有料化になる際にも、なぜ有料化にするのかという理由を深くまで掘り下げて伝えていた番組は少なく、マイバッグに関するニュースばかりだと思いました。
日本人が環境に悪影響を及ぼすような行動をしてしまっている原因の1つとして、現在の環境問題の現状をあまり知らないことが挙げられると思います。私自身、クイズでは6問中2問しか正解できませんでした。
環境問題の解決のため、自分一人が実践してもあまり効果はないと思う人もいるかもしれませんが、世界中の人が行えば必ず多くの効果が現れると話を聞いて思ったので、まずは自分が率先して節電や節水など、小さなことから行っていきます。そして、今後、日本人一人ひとりが危機意識を持ってアクションを起こしていくために
「みんなが知れば必ず変わる」
ということを信じて、自分の周りの人にも、今回学んだ環境問題の現状や、私たち一人ひとりが行動できる内容について広げていきたいと思います!