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COLUMN&INTERVIEW

私たちは2050年に向けて何を始めていくのか ―マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~を観賞してみて―

みなさんこんにちは。

今回のサステナコラムは、ドキュメンタリー映画『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~』の紹介です。

2021年10月31日(日)にまつやまRe・再来館(りっくる)で行われましたオンライン上映会、そして、この映画の監督との交流会に参加して感じた小さな行動から大きなことを成し遂げることができることをお伝えします。

そもそもマイクロプラスチックってなに??

マイクロプラスチックと聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか。マイクロだから小さいのかなとか、私たちの生活と関係しているのかなと疑問を持たれるかもしれません。

マイクロプラスチックとは、環境中に排出されたプラスチックが、自然の力によって細かくなっていき、5mm以下になったものです。

では、そのマイクロプラスチックはどこから排出されているのでしょう?

例えば、普段来ている衣服はおよそ60%が化学繊維からできており、洗濯機・乾燥機にかけるだけで化学繊維から出るマイクロファイバーが水中や空気中に排出されています。マイクロファイバーはマイクロプラスチックとして海に漂っていきます。

ご存知でしたか?

そして、排出されたマイクロプラスチックは地球全体に広がっていきます。
【参考】増え続けるプラスチックごみ

つまり、私たちが普段何気なく洗濯機や乾燥機を使うだけで環境を汚染しているのです。

『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~』とは?

このドキュメンタリー映画は、ニューヨークの子どもたちが海岸に漂着したプラスチックごみから、その汚染問題を学び、専門家に疑問をぶつけ、彼らならではのアイデアやアクションで小さなコミュニティからニューヨーク市全体といった大きなコミュニティにまで活動の輪を広げていく期間を追ったものです。
【外部サイト】マイクロプラスチック・ストーリー

そして、この映画の監督の1人は、日本人の佐竹敦子さんです。佐竹さんは、環境活動家・ドキュメンタリー映像作家としてニューヨークの公立学校や合衆国環境保護庁などを中心に活動を行っていらっしゃいます。

オンライン上映会の様子

誰でも・特別な人でなくても行動できる。そして変えることができる

まず、誰でも行動に移すことができる、そして現状を変えることができることをこの映画は教えてくれます。

ニューヨークでは、裕福な子どもたちは環境問題を学ぶ機会があるそうなのですが、この映画に出てくる子供たちは決して裕福とはいえない環境にあります。

映画に出てくる子どもたちは主体的にプラスチック問題を学んでいました。

例えば、自らが海岸に行き、プラスチックごみを回収、大きさや固さなどのデータを収集し、専門家に質問をぶつけ、そのデータからプラスチックの危険性を学び、

  • 学校の校長にカフェテリアでのプラスチック梱包や容器禁止日の提案
  • プラスチックの専門学者への疑問の投げかけ
  • ニューヨーク市議会でのプラスチック容器削減を希望する発言

このような投げかけや提案を行っていました。

その結果、

  • 学校のカフェテリアで1日全プラスチック禁止日が開催
  • ニューヨーク市内で2019年から発泡スチロール容器が廃止

といった活動の輪に広がりました。

その他にも街中にプラスチックを減らすためにポスターの掲示、住民にマイバッグの配布、家で使用しているキッチン用品を木製や金属製のものに変えるといった身近にできることから始めている姿が描かれています。

普段生活をしていて、学校全体、市議会、企業に対してアクションを起こしたり、意見を言ったりするのは勇気のあることだと思います。

特に、社会的には子どもだから、という理由でアクションを起こしにくい・できないような考えもあります。さらに、日本では周りの意見に合わせる同調思考の風潮がよくあるため、このようなアクションはより一層勇気が必要になります。

「あなたたちは世界を変える力がある」

これは、映画の中で大人たちが子どもたちに伝えていたことでもあります。

将来の日本に住むのは私たち若い世代、そしてこれから大人になっていく子どもたちです。大人が子どものすること、したいことを素直に受け入れて応援してみることだけで、もしかしたら世界を変えてくれるかもしれません。

佐竹監督が映画に込めた想い、そして、私達に伝えたいこととは??

佐竹監督はこの映画に“社会の仕組みを変えるための変換・変革のレシピになってくれたら”との想いを込めていらっしゃいました。

「世界中でプラスチックの原料にもなる化石燃料部門は成長を続けております。それどころか、電気自動車が発達し始めているため、化石燃料部門に投資していた投資家が、プラスチックへの投資を増額している。」

「我々の生活に欠かせない衣類についても、特に購入後数回の洗濯・乾燥がもっとも環境中にプラスチックを排出します。仮に、化学繊維の衣類を辞めて綿製の衣類にしても、綿を栽培するために必要な水や農地は多量であるため、決して代替策とは言えません。そのため、私は新品の衣類を購入していないんです。」

「排出されたプラスチックの回収のような大きなことを成し遂げようとするよりも、私たちが身近にできるビーチクリーンをしてマイクロプラスチックの元を絶つことも非常に重要です。そして、その活動の輪を一人から、各チームやグループ、会社などから徐々に全体に広げていくことが、社会全体を変えていくためのきっかけになります。」

あれ?プラスチック以外の問題はどうなんだろう??

プラスチック製品が全て代替されれば問題解決となるのでしょうか?

現代の問題は複雑に絡み合っているため、一部だけ解消してもその反動が別のところに来ることもあります。物事を広く見ていくことが私たちに必要ではないかと、私は思います。

視点を大きく持つこと、少しでも身近なところから行動すること、この両方ができるようになるとより一層、社会の変革は起きていくのではないでしょうか。

この記事を読んでくださった方々が読み終わった後にひとつでも行動をして、身近な人に広めてくれたら書いている私も嬉しいです。
(平井聡一郎)

この記事を書いた人

愛媛県学生地球温暖化防止活動推進員

愛媛県地球温暖化防止活動推進センターより委嘱を受けて活動しています。