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COLUMN&INTERVIEW

私たちは地球の一員であり誰もがヒーロー

今治市でばーりースクール代表をしております近藤と申します。

ばーりースクールは、社会教育的な立場から学校教育では賄いきれない内容を学ぶ機会を提供し、子どもたち自身が国際社会、地域の一員であることを認識し、問題認識、問題提起、思考、解決、発展の学びの流れを経て、考える力を得、生きる力、社会に貢献できる力を育むことを目的に立ち上げられました。社会教育的な観点から地域の方と子どもたちをつなぎ、極力教えず自ら答えが出せるような体験と知識を結び付ける機会を提供しています。2019年に任意団体として立ち上げてから今年で4年目になります。

地球の未来を共有する仲間

ばーりースクールの活動の一つに、世界の子どもたちをつなげて一緒に学ぶことを目的としたThe Earth buddies project(地球ともだちプロジェクト)があります。次の事を目的としたものです。

  1. 世界の子どもたちをつなげ、多様な価値観を共有する場の提供
  2. 自ら考え、個々の意見を出し合える場の提供
  3. 社会にある問題をシェアし世界と個々のつながりを考える機会の提供
  4. 個々が主体性を持って自分が社会のためにできることを見出す探究の機会の提供
  5. 未来のパートーナシップへ向けグローバルな視点で捉え、世界で活躍するリーダーを育てる

The Earth buddies projectとしてネパールの子どもたちと日本の子どもたちをつなげるイベントを行っています。過去のイベントでは個々の自己紹介、住んでいる国や地域の紹介、ゲーム、可能性ワーク、夢のシェアを行いました。このイベントは、ネパールのインターネットのパブリックニュース、2社で取り上げられました。

子どもたちはみんな違うそれぞれの個性が表現された夢を教えてくれました。

子どもたちの夢の理由、そこには利他がありました。誰かと思いを共有し自分自身を信頼してもらったときの表情はとてもうれしそうでした。他の国の子どもたちともつなげて参りたいと思っています。子どもたちの夢がいつか志に変わればいいな、と思っております。

【一人ひとりの可能性を感じる体感ワーク】
https://drive.google.com/file/d/1y-qbPvMfsh8_8D7CIB5Hs5KCLkNq_oGU/view?usp=sharing
【夢のシェア①】
https://drive.google.com/file/d/1nuuipbZ_l0EkaVKNvn_yrjwB6-nlOzcB/view?usp=sharing
【夢のシェア②】
https://drive.google.com/file/d/1JI9fPJTWQduS0RCDNGCUTF2jjr6-UGu1/view?usp=sharing

思い込みをなくし選択できることの大切さ

私たちは生まれてから大人になる過程で親から教わることや様々な体験をとおしてたくさんの思い込みを抱えます。『こうするのが正しい』、『こうだからに違いない』、『どうせ私は・・・・』など。当たり前のようにしていて気づいていないこともあると思います。

相手が持っているものに自分が持っているものを照らし合わせることでより自分を知ることができます。相手の価値観や育ってきた環境が違うほど、その違いの感じ方や捉え方のふり幅は大きいです。より違った視点から物事を見ることができます。

多様な価値観との出会いや違った角度からのものの見方は、人それぞれ違っていい幸せの選択肢を与えてくれます。そして私たちを成長させてくれます。

私たちが普段あたりまえのように受け入れている考え方や経済の在り方、社会システムは本当に私たちを幸せにするものでしょうか。

私たちは多様性の中で、自分にとって何が幸せかを選択できます。大切なのはその人がこうしたいと思ったとき、多様性を認めやりたいことができるよう選択できるシステムだと思います。

人は誰かの幸せを願える存在

私たちは今、時代の転換期を迎えています。2015年に提唱された持続可能な開発目標(SDGs)が私たちの社会が抱える課題を17の項目によってわかりやすく示してくれています。しかし、そこに方法論は書かれていません。私は、持続可能な開発目標(SDGs)を社会と自分、自然と自分、他者と自分、それぞれ何が自分にとって、他者や社会にとって幸せかを考えるための指針であると捉えています。人は唯一遠くの人を思いやれる動物だと言います。それは距離に限らず、時間軸においてもです。私たちは今に限らず、過去を癒すこともでき未来の人たちのために想いを馳せることができます。日本では自殺で亡くなる人が毎年2万人を超えています。生きるはずの命がつながればそこから幸せの輪を広げていくことだってできますね。

人は一人ではすべての課題を解決することはできません。様々な社会課題がある中で、一人ひとりが活躍しより良い地球の未来の創り手となることができるはずです。

私たちは学ぶ存在であり、それぞれが活躍できる場所がある

私たちは誰一人同じ人生を歩んでいません。一人ひとりがドラマの主人公のように違うストーリーを持って生きています。そこで育まれる個性がありそれが活かされることで社会が成り立っています。もし全員が同じ趣味、同じ個性を持っていたら社会は成り立たないし発展しません。相手を助けることもできないでしょう。

また、私たちは一人ひとりが違う人生を生きるからこそ、シェアすればコミュニティ全体でたくさんのことを学んでいることになります。子どもも、大人もみんな一人ひとりが学ぶ人であり先生と言えます。この考えを世界に広めれば人類全体でとても大きな学びですよね。実際私たちは先人たちから知恵や知識を受け継ぎ、発展させ誰かが何かの役割をし、会社や社会を動かしています。今この瞬間も生きて何かを感じ出会う人とそれらを共有し、次の世代へと受け継いでいっています。それらは次の創造につながっています。

誰もがヒーローになれる

個々が自分の可能性に気づきその能力を発揮すればするほど本人も幸せで相手も幸せにできます。

人は感情や知識を共有し、それらを誰かのために役立てることで幸せを感じる生き物です。

人は誰もがギフトと呼ばれる個性を持って生まれて来ます。子どもは誰かのために役に立つことが大好きです。幼少の時は小さな生き物も水も風も〇〇さんと呼びすべてが友達でした。いつからそれはなくなったのでしょう。

先に述べたように持続可能な開発目標には17項目がありますがすべてを一人ですることはできません。子どもたちの夢が違うように一人ひとりに可能性があり活躍できる機会があるということです。個々の可能性を伸ばすためにいろいろな教育の在り方があってもいいですね。

今までは誰かがトップにいてみんなを引っ張っていく社会構造がありました。自分を知り主体的に動けば誰もがその分野のリーダーになることができます。グループや社会の中で自ら手を挙げ仲間のために率先的に行動できる人が集まり協力すればより大きなことができます。

私のしたいこと

私がしたいことは、子どもたちが目的意識を持ち、個人の能力を開花させ、世界で活躍する未来のために、個々の存在が尊重され、人間らしく生き合える社会を創ることです。それは自分自身の受容と他者の受容、知識や経験の共有によって可能です。

個々の存在が尊重され与え合い人っていいなと思える社会を、地球の子どもたちをつなげ子どもたちとの学びをとおして創りたいと思っています。

個々の存在を生かしお互いにないものを与え合い、幸せをわかち合えば地球(社会)は変わると信じています。

この記事を書いた人

近藤 久仁子(こんどう・くにこ)

小学校からの夢は、世界の人と友達になって環境問題、戦争、貧困について考えること。大学は、子どもたちと世界の問題について考えたいと、教育学部へ。当時日本に2大学にしかなかった社会教育学科に進学。小中高の教員免許、社会教育主事資格を取得。世界の教育や日本での新しい教育の取組を学ぶ。2009年カナダに短期留学とワーキングホリデーへ。地元の産業である海運会社に就職。2019年に『ばーりースクール』を立ち上げ、仕事の合間に地球と子どもたちの未来をつなぐファシリテーターとして活動中。SDGsビジネスマスター取得者。https://www.facebook.com/baalie.school/

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