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COLUMN&INTERVIEW

本当にサスティナブルなコスメとは?

私たちが日々使っているスキンケア用品やメイク用品、どんな基準で選んでいますか?

お肌に合うかどうかや、使い心地、価格など色々ありますね。プラスチック容器を少しでも減らすために詰め替え用を選んでいる、という方もいらっしゃるでしょう。でも実は容器だけでなく、その「コスメやスキンケア用品そのもの」にも、プラスチックが使われているとしたら、、、驚きですよね!?

今回は皆さんと一緒に、「サスティナブルなコスメ」について考えてみたいと思います。

化粧品の中にもマイクロプラスチック

今、海洋に漂う多量のマイクロプラスチックが海を汚し、海の生き物や環境に影響を与えていることが問題になっています。

プラスチック容器が海に流されて、小さな破片となる場合もあれば、もともとマイクロサイズ(0.5mm以下)で製造された、マイクロビーズと呼ばれるものもあります。

マイクロビーズの代表的な例を挙げると、洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブ剤、またメイク用品ではラメや滑らかな肌触りを出す目的で使われるポリエチレンやポリマーなどがあります。

アメリカやEUでは2015年以降、すでにマイクロビーズを使用した商品の製造や輸入規制が進んでいます。日本でも自主規制が始まっていて、大手メーカーを中心に生分解性のある素材への切り替えも進んできていますが、流通が規制されているわけではありません。またその他の成分も、私たち消費者が一見して石油由来なのか、植物由来なのかが分からないものがとても多いです。

サスティナブルなコスメを楽しむ3つの方法

では、環境にもお肌にもサスティナブルなコスメって、どうやって選べばいいのでしょうか?私なりに思う3つの方法にまとめてみました。

①企業理念や姿勢に共感できるメーカーを選ぶ

原材料に有機栽培された植物を使っている「オーガニックコスメ」のブランドは、原料だけでなく、生産方法やパッケージも環境に配慮していることが多いです。

海外のオーガニック先進国には、オーガニック認証(NATRUE、COSMEBIO、ECOCERT)をとっているブランドも数多くあります。

日本には明確なオーガニックコスメの規定はありませんが、ここ10年くらいの間で増えてきたな、という印象があります。

化粧品の場合、天然やオーガニックであることと、肌に優しいはイコールとは限らないのが少しややこしい所です。ただ、こうしたメーカーの中には、フェアトレードのように公正に原料を取引していたり、環境に負荷をかけない生産方法をしていたりと、社会問題や環境に配慮した取り組みをしている事が多いので、化粧品を選ぶ目安の一つになると思います。

「環境」「エシカル」「オーガニック」などで検索すると色々見つかりますし、地域に実店舗がなくても、オンラインショップなどで購入できます。

化粧品メーカーのサイトは、写真も美しく、説明も分かりやすいので、楽しみながら情報収集ができます。ぜひサイトもチェックしてみてください。

②国内の小さなメーカーを応援する

次に、少し前のおばあちゃん世代の暮らし方からヒントをもらってみましょう。

昔の人は米ぬかで顔や身体を洗い、ヘチマやドクダミ、ビワの葉といった身の回りのものから化粧水を手作りし、椿オイルで保湿をしていました。

スキンケアの基本は「汚れを落とす」「水分で潤す」「保湿する」なので、お肌に合えばこのシンプルさで十分です。こうした商品を製造しているのは、比較的国内の小さなメーカーが多いです。海外から余分なエネルギーを使って輸入することもなく、材料も生産工程もシンプルなのでサスティナブルですし、国産メーカーを応援することにもつながります。

選ぶときには、原料が国産かどうかや、より近くの地域のメーカーはないか、など自分なりの基準を決めていれば、探すのも楽しく、見つけた時は嬉しくなって応援したくなります。

(ドクダミ。10の薬効があるとして「十薬」とも呼ばれる)

③手作りも楽しむ

そして、一度は手作りもしてみませんか

私は、以前は日焼け止めやファンデーション、口紅と言ったメイク用品も手作りしていたことがあるのですが、今は手ごろな価格で安心な商品も増えているので、作るのは化粧水とリップクリーム位になりました。

(手作りしたリップクリーム)

主宰しているアロマテラピーの教室では、精油、少量のエタノール、グリセリン、水を順番に混ぜるだけで簡単に作れる方法をお伝えしていますし、検索すれば作り方は簡単に見つかります。実際に作られた方はあまりにも簡単でリーズナブルなことに、皆さんとても驚かれます。

お庭や鉢植えでローズマリーなどのハーブを植えている方は、アルコールに漬けてチンキを作り、薄めれば化粧水ができます。使うだけでは得られない楽しさが、手作りにはあります。

(ドクダミの花のチンキ)

また、アロマショップで購入できる、精油を蒸留する時にできる芳香蒸留水(ハーブウォーター)もおすすめです。代表的なラベンダーウォーターは、オーガニックのものを選んでも高級ブランドの化粧水よりうんと安く、そのままで赤ちゃんから大人までのスキンケアに使うことができます。

(様々な種類のハーブウォーター)

すべてはつながっている、シンプルに心地よく暮らそう

私たちが日々使っているものが環境にどんな影響を及ぼしているのか、少し興味を持てば様々な情報が入ってきます。それは、スキンケアやコスメ用品も同じ。使い続けることで人にも地球にも優しいコスメ商品が、どこででも手に入ることが、もっと当たり前になるといいな、と思います。そのためにも、「選ぶ視点」をもう少し広げることは、とても大事です。買い物=その商品やメーカーを応援すること(投票しているようなもの)だからです。


(手作りコスメのレッスン風景)

みなさんにとって、本当にサスティナブルなコスメって、どういうものですか?

日常の中で、少しだけアンテナを立てて選んでみると、きっと毎日の暮らしはより気持ちが豊かになり、新しい発見があります。

楽しみながらできる「サスティナブル(持続可能)」な選択肢を暮らしの中に増やし、未来の子ども達に少しでも住みやすい地球を残していきたいですね。

この記事を書いた人

児玉 三由(こだま・みゆき)

Act Kie(アクトキエ)代表。アロマ空間プロデューサー。講師。アロマセラピスト。 家族の健康管理に20年以上アロマテラピーを利用してきた経験をいかし、2015年に起業。間伐材を利用した日本産、特に愛媛産の森林のアロマの普及に力を入れている。愛媛産の森と柑橘精油を使ったフレグランスアロマ「Kie(キエ)」開発。香りを通して自然と繋がり、人も地球も健やかになる暮らし方を提案中。 (公社)日本アロマ環境協会資格認定スクール運営。 https://act-kie.com/ https://www.instagram.com/miyuki.actkie_aroma/

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