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COLUMN&INTERVIEW

アップサイクルで楽しくエコアクション

アップサイクルって知ってる?

アップサイクルとは、廃棄されるはずの製品に新たな価値を与えて再生することです。アップサイクルという言葉は1994年にドイツの企業「ピルツ」のレイナ―・ピルツ氏がメディアに向けて語ったのが始まりとされています。

しかし、国内外問わずアップサイクルの思想はそれ以前からありました。日本で言う「もったいない」精神がそれに当たりそうです。実は「もったいない」精神は、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリーマータイさんが世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱し、世界的にも有名な言葉になりました。

リユース・リサイクルとアップサイクルの違いは?

リユースは製品そのものをそのまま繰り返し使うこと、リサイクルは原料や材料として再利用することです。これらをダウンサイクルと呼びます。例えば古着を買う人がいるとします。新品よりも安価に買うことが出来ることが多いです。また、古紙をリサイクルすると分解され原料として使われ再生紙に生まれ変わります。

これらは最初の段階よりも品質が安定しにくい、耐久性が新品よりやや劣り得るといった特徴があります。一般に元の状態より低品質になると考えられているのでダウンサイクルと呼ばれています。

一方、アップサイクルはもとの製品の素材に付加価値を付け、そのまま生かすことを指します。つまり「本来廃棄される製品に付加価値を付け、アップグレードする」であることが特徴です。

どうすれば実践できる?そもそも実現可能なの?

「付加価値を付け、製品をアップグレードする」というと、何か画期的な製品を生み出すことを指しているようで、自分ひとりの力ではできないかも、と思われる人もいるかもしれません。では、「創造的再利用」という言葉で表現するとどうでしょうか。アップサイクルは「創造的再利用」とも呼ばれています。アップサイクルはデザインやアイデアによって付加価値が与えられることでものとしての寿命が長くなることも期待できるという特徴があるため、私たち一人一人がアイデアやデザインを発案することが出来れば、実践することが出来るのです。

アップサイクルの実践例(アーティスト編)

アップサイクルの分野でアーティストが活躍していることを知っていますか?そのアーティストが手掛けるものは「海ごみアート」です。材料は海に漂流していたり周辺に廃棄されていたりするプラスチックやガラス、その他たくさんのごみです。世界の海には年間800万トンのプラスチックごみが流出しています。そのうち2~6万トンは日本由来です。ここ愛媛の海でも残念なことに空のペットボトルやプラスチックごみなどが捨てられています。そんな海洋ごみ問題を少しでも解決したいと、アートの側面から奮闘しているアーティストが海ごみアーティストなのです。

アップサイクルの実践例(愛媛編!)

愛媛県松山市でも、8月26日にセンターの取り組みにて海ごみアートの講座が開かれました。この講座を企画し始めたきっかけは一人の学生推進員がヨット部で使っている海が汚いことに気がつき、何か出来たら…!と感じたことです。その海のごみを実際に使って、講座を企画し、実施した学生推進員の声をピックアップしてみました。

・活動前、アップサイクルを知っていた??

A: リサイクルと同じようなものイメージでした。
B: 聞いたことなかったです。
C: 初めて聞く単語でした。

・活動後のアップサイクルへのイメージは??

A: 普段捨ててしまうペットボトルキャップを始めとする様々なプラスチックごみがアップサイクルによってこんなにも個性豊かなものに生まれ変わっていたのですごく魅力的なイメージに変わりました。

B: 素敵な考え方だと思いました。小学生だけでなく大学生にも広まってほしいと感じました。リサイクルは自分ができるのが「集める」までですが、アップサイクルは自分で完成まで目に見える形で行えることができて良いと思いました。

・今後どのような活動をしたいと考える??

A:幼稚園児~中学生を対象としたものづくりアップサイクル(例えば、ビニール袋や段ボールなどからなにか作れそうなものを提案する)がいいと思います。未来を担う子供たちに知ってもらうことが重要かなと思います。

このほかにも、「まずは普段の生活で、過剰包装を控える」、「ごみの分別」、「衣服などいらなくなったものなども何かに再利用できないかを調べたりしてから使い道を考えたい」など、基本的なエコアクションの積み重ねが大切だという声もありました。

アップサイクルは一つの手段

アップサイクル商品はいまや多岐にわたる産業分野で生産されています。服、靴、化粧品など、身近な用品に多数採用されています。アップサイクル用品に特化して生産しているブランドもあれば、大手ブランドがアップサイクル商品のための製造プロジェクトを行っているという場合もあります。

ただ、アップサイクルは一つの手段であって、アップサイクルをすることだけが必ずしも「いつも正しい」とは限りません。アップサイクルに適したものだけを取捨選択してしまっては「ごみの削減」に根本から貢献しているかと言われると考えどころではあります。また、海ごみアートの講座ではごみの洗浄に大量の水や洗剤を使ったと聞きました。これでは資源を浪費してしまうことに変わりはないのかもしれない、と感じました。なので、アップサイクルは一つの手段であって、「いつも正しい」とは限らないと考えます。

私たちにできることは?

ここまでアップサイクルについて紹介してきました。では、私たちには何が出来るのでしょうか?一番起こしやすいアクションはやはり消費活動に変化を与えてみることではないでしょうか?必要なものを必要な分購入する。環境に優しい商品を選んでみる。選択肢は様々です。

最近ではリサイクル素材で作られていてかつ機能性やファッション性にも優れている衣服なども多くなってきました。私は、NIKEの足袋型シューズを買ったことがあります。これはリサイクルされた繊維で作られています。実際に店舗にて新規合成材料で作られている類似商品と履き比べましたがリサイクル繊維で作られたシューズの方が履き心地、歩き心地が良かったのでそちらを購入しました。ファッション性、機能性ともに優れており、夏を中心に現在も愛用中です。

上記のように環境に優しい商品が増えた理由の一つにコロナ禍によりライフスタイルの見直しを図る人が増えたからではないか、と私は考えます。

私自身も家で過ごす時間が増えたことで、外食を控える代わりにテイクアウトすることが増えたので、注文する量やごみの分別など以前より意識するようになりましたし、家族や友人は家にいる時間が増えた分、電気や水道の使用を意識して節約するようになったそうです。こういった変化が、資源の浪費も防ぐことにつながり、結果的にエコアクションに繋がります。

そして、このような消費者のライフスタイルの変化が、ここ数年で社会にも影響を与え始めていると私は考えています。消費者が社会に目を向け、使う責任を感じる人が増えたため、商品を作る企業側もコロナ以前に比べて作る責任を持つようになったのではないかと思います。

あなたならどのような消費活動に変化を与えますか?ぜひ、自分なりに考えてみましょう。そして、毎日の生活にちょっとした変化を加えてみましょう。今後もコラムでは身近なエコアクションを紹介していくこともしていきたいと思っていますので、ヒントとして是非参考にしてみて下さいね!

【参考文献】
MOTTAINAIについて | MOTTAINAI もったいない モッタイナイ
アップサイクルとは? リサイクルやリメイクとは違う、SDGsへの新たなアプローチ|講談社SDGs by C-station (kodansha.co.jp)
誕生!豆だけでつくった「豆そうめん」 |ZENB(ゼンブ) 公式通販
コーセーのアップサイクル術 残った化粧品を絵の具に変える:日経クロストレンド (nikkei.com)
ごみを宝物に変える、アップサイクルアイデア10選【2020年まとめ】 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
アップサイクルの意味とは?リサイクルとの違いや事例紹介 | 山陽製紙株式会社 公式サイト (sanyo-paper.co.jp)
日本で購入できるアップサイクルブランド12選 ファッション・コスメ・フードも | ELEMINIST(エレミニスト)
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この記事を書いた人

愛媛県学生地球温暖化防止活動推進員

愛媛県地球温暖化防止活動推進センターより委嘱を受けて活動しています。