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COLUMN&INTERVIEW

【気候変動における世代間格差】若者が気候変動に声を上げる理由

こんにちは。Fridays For Future Hiroshimaのかこです。
今回は私たち若者が気候変動に声を上げている理由の一つである「世代間格差」についてお話ししたいと思います。

地球温暖化とは

地球温暖化は人間が二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを大気中に大量に放出したことが原因となって地球全体の平均気温が急激に上昇している現象のことです。

温室効果ガスは私たちの日々の生活のいたるところで排出されています。

例えば私たちが使用している電気や車、ゴミを燃やすこと、食べているお肉からなどです。

人間が温室効果ガスを過度に排出しすぎたことで地球の平均気温が上昇してしまい、さまざまな影響がすでに出ていて、これからますます深刻化すると言われています。

今後、ますます夏は暑くなり、大雨や洪水が増え、干ばつが深刻化し食料不足が起きるなど生命の危機を感じる機会が増えることが予測されています。

気候変動における上の世代の責任

これまで地球温暖化の原因となる大量の温室効果ガスを排出してきたのは私たちより上の世代です。

また、今の大量生産・大量消費という社会システムを作ってきたのも上の世代です。私たちが生まれた時にはすでにこの社会システムが出来上がっていました。

現在の日本の二酸化炭素排出量は世界5位と多くの二酸化炭素を排出しています。


出典)EDMC/エネルギー・経済統計要覧2021年版 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

確かに私たちもこの社会システムの恩恵を受けてきました。

ですが、ずっと昔からこのまま温室効果ガスを排出し続けると、あらゆる問題が起きることはわかっていながらも科学者の意見に耳を傾けず、私たちが生きていくことすら難しい環境を作ってしまってきた上の世代の人には責任があると考えています。

だからこそ、私たち若い世代だけではなく、上の世代の方にこそ行動を起こしてもらいたいのです。

気候変動における若者世代の責任

上の世代にだけ責任があるわけではありません。私たち若者にも責任はあります。

毎日何気なく生活しているだけで、私たち自身の未来や、私たちより下の世代、そしてまだ生まれてきていない子供たちの未来も奪ってしまうことに繋がってしまうからです。

私たち若者世代は気候変動の加害者でもあり被害者でもあります。気候変動の当事者である私たちは両方の側面から声を上げることで、より社会を変革していく力があると信じています。

すでに気候変動の影響を受けている若者たち

今年の8月にはユニセフから「気候危機は子どもの権利の危機:子どもの気候危機リスク指数の紹介」という報告書が出されました。これは子どもの視点から気候危機を包括的に分析した初めての報告書です。

世界の22億の子どもの半数にあたる約10億人の子供たちが「極めてリスクが高い」と分類されている33カ国のいずれかに住んでいると指摘されています。

このように国際社会でも若者の気候危機のリスクは問題視されています。

日本でも中学校と高校の運動部の活動では少なくとも毎年約3000件の熱中症が確認されています。また、台風や豪雨の影響で学校が休校になると子供たちの学びの場が気候変動によって奪われてしまいます。そして、災害によって家を失い、これまで住んでいた場所から別の場所に引っ越さなければならず、環境の変化に適応しなければならない子供たちもいます。

このように私たちはすでに気候変動の影響を受けています。

気候変動に気づき、なんとかして止めなければと行動している若者は間接的にも気候変動の影響を受けています。

気候変動が深刻化した未来を想像して夜も眠れなくなる人、バイトや部活、睡眠時間を削って気候変動対策を求める活動をしている人、家族に活動を反対され家族との仲が悪くなってしまっても家族が気候変動で命を失うよりは活動をしたほうがいいと理解を得られなくて悩みながら活動する人。

これらの人は私の周りにいる仲間たちです。もし気候危機がなかったら、私の仲間たちはもっと自分の人生を謳歌することができていたかもしれません。いち早く気候危機を解決し、私の仲間たちが好きなことを好きなだけできるように私は活動したいと思います。

今が行動する時

気候はすでに危機的状況ですが、このまま放置してしまうと本当に後戻りができなくなってしまいます。

気候変動にはティッピングポイント(臨界点)が存在しています。コップに蛇口から水を注ぎ続ける様子をイメージしてください。蛇口の口を閉めない限り一度コップから水が溢れてしまうと溢れ続けてしまいます。

今が蛇口の口を閉める時、つまり行きすぎた温室効果ガスの排出を止める時です。今、行動すれば水が溢れるのを止めることができます。

あなたも社会の一員なのだから、社会を変えることができます。一緒に行動しましょう。

この記事を書いた人

奥野 華子(おくの・かこ)

広島市内に住む大学生。Fridays for Future Hiroshimaのオーガナイザー。留学・ワーキングホリデー・英語学習サポートを行う会社のライター。平和教育や平和活動にも携わる。

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