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COLUMN&INTERVIEW

SDGs連載【第5回】SDGsをハートで感じよう!エシカル・コンシェルジュ風さんの取り組み(後編)

持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標「SDGs(エスディージーズ)」。今回は、このSDGsについてお伝えする連載【第5回】の後編。前編に続き、滋賀県在住で、SDGs講座をワークショプ形式で開催されている、エシカル・コンシェルジュの風かおるさんに、お話をお聞きしてきました!

前編では、生まれた時から「もったいない星人」だった風さんが、どのような経験を経て、SDGsに辿り着いたのか、またSDGsのワークショップにおいて大切にしていること。そして後編では、エシカル・コンシェルジュの意味やその役割、私たち個人に何ができるのかという点についてお話しいただきました。

この記事で分かること

  • エシカル・コンシェルジュの役割
  • 私たち個人ができること

風かおるさんがSDGsに取り組むようになったきっかけ、SDGsワークショップで大切なことついて語られた【前編】はコチラ

風かおるさんのプロフィール

風かおるさん

有限会社ガイアコミュニティ 代表
〜ふうどこむら〜主宰
エシカル・コンシェルジュ
サスティナブルライフスタイルアドバイザー
SDGs講座WSファシリテーター
カードゲーム「2030SDGs」認定ファシリテーター
「SDGs de 地方創生」公認ファシリテーター ほか

福岡県生まれ、富山育ち。高校卒業後、金沢文化服装学院を経て、三船芸術学院(東京)に入学。俳優養成所に入所し、ファッションモデルや女優業に従事する。その後、雑貨店を20年間経営すると同時に、テディベア、ステンシル、木工、ラッピングなどのワークショップも開講。その後、活動が全国規模となったため拠点を東京に移す。2010年から滋賀県に移住。現在は、SDGsに関するワークショップのファシリテーターとして全国各地で講座を開いている。

(大学での講義の様子)

エシカル・コンシェルジュの役割について教えてください

まず「エシカル・コンシェルジュ」とは、一般社団法人エシカル協会が認定するもので、世界で起きている気候変動・家畜の大きな問題など様々な課題に対応するための「エシカルな考え方」を理解し、日々の小さなことでも行動に移すことができる人を言います。

そもそも「エシカル」は「倫理的な」と訳されますが、ここで言う「エシカル」は、自身が行動する前に一度立ち止まり、

え…影響を

し…しっかり

か…考え

つまり、その先にある影響を考えてから、実行に移すという意味です。

例えば、デパートなどでエスカレーターを目の前にした時に、一度立ち止まって考えてみる。自分の足を使わずに上がる事によって、将来体の調子が悪くなるかも知れない。そうすると、サプリを飲み始め、お金を使う。それでも足を使わない生活を続けると、病気になる。そして治療や薬にお金を使う。そうした悪循環に陥ってしまう可能性もありますよね。一度立ち止まって、エスカレーターではなく、階段を使ってみる。日々の小さな事でも、その先にある「影響」を考えることが大切です。

また、最近では「エシカル消費」なども叫ばれるようになり、より身近な言葉になってきていますね。

エシカルの考え方には、フェアトレード、サステナビリティ、リサイクル、自然エネルギー、SDGsなど多くの分野があります。その中で、私はエシカル・コンシェルジュの立場で「SDGs」についてのワークショップにおけるファシリテーターを務めています。
【参考】エシカル・コンシェルジュ講座/一般社団法人エシカル協会


(SDGs de エシカル Café mumokuteki SDGs@京都の様子)

私たちにできることは、何ですか?

まず、SDGsの目標は国連が適当に決めた訳ではありません。しかし、「SDGsは、やらなければいけないのですか?」と聞かれたら「自由です」と答えます。行動するかどうかは、自分自身が感じて決めて欲しいと思うからです。

自分が手にとった商品も、生産から消費までの過程を追跡すれば、もしかしたら児童労働によって作られた商品かも知れない。私たちは、その片棒を担いでいるのかも知れない…「何も知らないこと」自体が問題なのです。

まずは、小さなことでも良いから「知る」ことが大切だと思います。

あとは、リフューズとリクエストですね。リフューズは、必要の無いものに対して「要りません」と言うこと。紙袋や包装紙などです。例えば、車の中にエコバッグやタッパーを常備しておくなどの対策ができますよね。リクエストは、例えば「こんな商品が欲しいです」とエシカルな商品の取り扱いをスーパーに提案すること。現状を知ることによって、私たち個人にも、できる行動はたくさんあります。

繰り返しになりますが、私はいつも「ハートでSDGsを感じよう」と話しています。SDGsの目標について知る、理解することで、きっと胸がざわつくはず。自分が感じたことから、行動に移すことが重要なのです。

「ハートでSDGsを感じよう」今回は、この言葉が一つのキーワードでした。私はこれまで、「こんな時代だから、SDGsについて知らなければならない」「何か、動かなければならない」と、受動的にSDGsに関わろうとしていたような気がします。
でも、それではきっと一時的な義務感で終わってしまい、日常に戻れば忘れてしまいます。そうではなく、「消費」する前に立ち止まり、この商品の原料はどこで獲れたんだろう、この製品はどのような環境で作られたんだろう…と考え、調べ、知ることで、自分が置かれた環境で「できること」が見えてくるんだろうと思います。
私も、エシカル=影響をしっかり考える消費を心がかけながら、自分自身が納得する形でSDGsに取り組んでいけたらと思いました。

次回以降も、SDGsについての連載は続きます。お楽しみに!

この記事を書いた人

三神 早耶(みかみ・さや)

愛媛県松山市在住。大学卒業後、広告代理店の営業や進行管理などを経て、2016年からフリーライターに。ビジネスメディアや、地元経済誌、企業のWebサイト等において、取材や記事の執筆をしています。私生活では2児の母。趣味はキャンプと仕事。

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